『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』 - サカナクション

今日はちょっと前にラジオで何度か聴いた曲から、サカナクションさんの『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』。サカナクションさん、実際にバッハが好きらしいが。ちなみにこの後微妙なことを書くけど、個人的には今年の曲の中でかなり気に入っているものの一つなのだ。2011年7月20日にリリースされた曲。

バッハといえば自分的にはやっぱ GEB を語らずにはいられないのだが、語るに落ちるような気もするので語らない。一つだけこの歌、気に入らないところがある。「部屋に吹くぬるいその色」という表現。色に対して「ぬるい」という形容詞を使うことは構わない。むしろレトリックとしては常套手段だろう。ただこの場面で「ぬるい」というのは折角ここまで全力で結晶化してきた心象風景を全部ぶち壊しているような気がするのだ。もちろん作者がそのことを表現したいのだと言うのであれば私が気に入ろうが気に入るまいがどうでもいいことだ。どうせ私はバッハではなくてモーツァルトじゃないと駄目なのだ。

曲はバッハの機械的な旋律をイメージさせるようなメカニカルなメロディだが、あえていうならメロディそのものがデジタルっぽい。どうせだから言わせてもらえれば、YMOの曲をぬるくした感じ、というのが私の第一印象。テクノポップっぽいのだが鋭いところをメンドリしてあるというか、例えば PV で5人ダンスしているシーンがあるのだが、YMOだったら何百人も増殖して踊るのだろう、みたいな余計なことを考えてしまう。

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